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2025.07.17

田んぼの生き物たち


皆さんこんにちは、今日も田んぼのお話です。

先日は、少し街から離れた、里山環境に遊びに来ていました。
訪れた里山は、山谷の傾斜に段々に田んぼがあり一番奥にはため池がありました。
このため池は古くからあるようで、昔々からここに住む人達は稲作を行って来たようです。
しかし、近年使われなくなってしまった様子の田んぼがありました。使っていない田んぼを休耕田といいます。

この休耕田は人により耕されたり、草刈りされることがないので、徐々に自然の姿に帰りつつある田んぼです。
稲を育てることがないため、田んぼには農薬が使われることがなく、稀に水草天国となることがあります。

今回立ち寄った休耕田には、ミズオオバコ、ヤナギスブタ、イトトリゲモ、ウリカワ、イチョウウキゴケなど、なかなか見かけることのない珍しい水草たちが大量に繁茂しており、まさに夢のような環境でした。

この夢のような水草天国は、夢と同じく近々消えゆく運命にあります。
それは、人の手が入らなくなり、徐々に植物が増え、水辺が埋まり、陸地へと変化していく遷移が起こるからです。
遷移は自然現象なので仕方のないことですが、本来であればそれに対して、洪水や地すべりなどの地理的イベントが起こり、環境の撹乱も起こるはずです。しかし今では人たちの安全のためになるべくそれらが起こらないようにしている現状です。
そのため、田んぼという環境は人が使わなくなってしまったら最後、そこを利用していた動植物たちもいなくなってしまいます。

田んぼでお米を作るということは、人々の食料を作るだけでなく、多くの生き物たちを生かしていることを理解して、少しでも守っていきたいですね。