「ミナミヌマエビ」と「シナヌマエビ」
こんにちは
今回は悲しくもアクアリウムから発生してしまった負の遺産”外来種”についてです。
今回取り上げる外来種は「シナヌマエビ」です。
アクアリウムではミナミヌマエビとして流通して居ますが、日本に元から生息しているミナミヌマエビとは別種で日本には生息していない種類なのです。
在来の「ミナミヌマエビ」と「シナヌマエビ」を見分ける際には、目の上にあるトゲ(額角)の長さを見る必要があります。
ミナミヌマエビはトゲ(額角)が長く、触覚の生えている部分(第一触角柄部先端)と同じ長さ、またはそれより長いです。
在来の「ミナミヌマエビ」

シナヌマエビはトゲ(額角)が短く、触覚の生えている部分より、短いことで見分けることができます。
外来種の「シナヌマエビ」

少しむずかしいですが、なれるとすぐに見分けることができます。
写真だと右がミナミヌマエビ、左がシナヌマエビです。

このシナヌマエビは水槽内でよく増え、水換えなどの際に野外に流出してしまい、日本に外来種として定着してしまっています。。。
厄介なことに、このシナヌマエビと元から野生に生息しているミナミヌマエビは、すごく近縁な種類で、自然内で互いに交配し子孫を残してしまうため、ハイブリット(交雑種)が生まれてしまっています。
一度ハイブリットになってしまうと、元に戻ることはなく、その場に元から生息していたミナミヌマエビは、徐々に絶滅してしまうことになります。。。
現在エーピーエヌのある岐阜県では、河川や水路の殆どでシナヌマエビが見られるようになってしまっています。
そのため純粋な元から生息していたミナミヌマエビは静かに、どんどんと姿を消してしまっている状態です。
これ以上ミナミヌマエビを減らさないためには、日々、アクアリウムで使用するシナヌマエビ(流通名はミナミヌマエビ)
の扱いに細心の注意を払う必要があります。
アクアリウムから発生した外来種による影響はこれだけではありませんが、このまま続いて外来種が増え続けると外来種に関する法律が厳しくなり、アクアリウムを続けにくくなってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、エーピーエヌではアクアリウムで換水時に出た水から外来種をこれ以上出さないために、その水を捨てる際に、不織布でできた袋を使用し、「生き物」や「水草」等の流出を防いでいます。

アクアリウムをしている方々一人ひとりが気を使い、自然の生き物を守れるようになるように日々心がけていきたいですね。