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2025.05.13

水草の話 コウガイセキショウモ


こんにちは
今日も水草のお話です。
先日メンテナンスの合間に近所にあった川を散歩していると驚きの光景を目にしました。

なんと川一面をバリスネリアが覆っています!
とても美しい。。。と思いきや、実はこのバリスネリアは国の重点対策外来種に指定されている「コウガイセキショウモ」という、アクアリウム由来の外来水草なんです。

重点対策外来種とは?
生態系被害防止外来種リストのランクとしては上から2番目に危険性が高い生物を指します。
国内に定着が確認され、生態系等への被害を及ぼす(懸念も含め)ため、防除や、外来種被害防止の為の普及啓発等が必要な総合対策外来種の内、甚大な被害が予測される為、対策の必要性が高いもの。
参考:生態系被害防止外来種リスト(https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/list.pdf)

日本に生える水草の殆どは冬の寒さを乗り越えるために、殖芽と言われる芋状のものや、種を残すなどして、葉っぱを残さずして寒さを乗り越えます。しかしこのコウガイセキショウモは冬の寒さを葉っぱの状態で乗り越えてしまいます(葉は小さくなるようです)
そのため他の在来水草に比べ春の葉の展開が早く、あっという間に在来水草の居場所を奪ってしまいます。。。
それに加えて、コウガイセキショウモはランナーを伸ばして新芽を展開するため、あっという間に川一面を覆ってしまいます。

今回観察した河川でも在来水草のササバモが堅苦しそうに数本生えているのみでした。
現在野生化が確認されていないアクアリウム水草の中でもまだまだ、その可能性を秘めた水草はあると考えられます。
それらの水草を必ず野生化させないためにも我々アクアリウムを行っている者は、水槽の中にいる生き物だけでなく自然で暮らしている生き物たちの住処を奪ってしまう可能性があるということをしっかりと考えながらアクアリウムライフを楽しんでいきましょう!