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2025.06.25

カクレクマノミとイソギンチャク

カクレクマノミとイソギンチャク


カクレクマノミは何故イソギンチャクに触れても無事なのか?

皆さんは、ふと考えた事は無いでしょうか?
イソギンチャクは人間を刺すのに対し、何故カクレクマノミは刺されないのか?

ダイビングや動画等で、まるで海に花が咲いているような姿をしているイソギンチャクですが、その殆どの種類が「刺胞」毒針を有しております。
刺胞とは、毒針が入ったカプセル状の形をしており、外的要因で刺激を受けた際に毒針が発射され毒液を注入し、外敵から身を守る為の手段として利用されます。

では、何故クマノミ達は無事でいられるのか?そのうえ、何故隠れ家に利用しているのか?

イソギンチャクの毒針は、『シアル酸』という物質に反応し発射されることが最近判明しました。
このシアル酸という物質はほとんどの生物が体表に有しているため、ほとんどの生物はイソギンチャクの攻撃対象になるんです。

察しの良い方なら既にお気付きかもしれませんが、カクレクマノミの体表にはシアル酸が極端に少なく、そのおかげで刺される事は無く、共生関係を築いている訳ですね。

カクレクマノミとイソギンチャクの共同生活は双方にメリットがあり、
カクレクマノミ:外敵から身を守ってもらう
イソギンチャク:餌を運んでもらったり、天敵を追い払ってもらう
こう言った、双方にメリット(利益)がある関係の事を「相利共生」と言います。

ちなみに、カクレクマノミも最初から『シアル酸』が少ない訳ではなく、仔魚(赤ちゃん)のときは他の魚とと同じぐらい有しているため、イソギンチャクに入ると刺されてしまうんです。。。
成長するにつれ、シアル酸が減少していき皆さんがよく見る白とオレンジのしましま模様になる頃にはイソギンチャクと共生出来るようになります。

自然で生きていく上でいろいろな生き物たちが様々な進化や適応しているのは、本当に驚きです。
今回は、そんなイソギンチャクとカクレクマノミの奇妙な関係のお話でした!